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2020年注目のスーパーフード『スーパー藻類』!-スピルリナの4つのトレンドポイント-

2020年注目のスーパーフード『スーパー藻類』!-スピルリナの4つのトレンドポイント-

日本スーパーフード協会が、『2020年上半期スーパーフードランキングTOP10』を発表しました。ここに、スピルリナを含む『スーパー藻類』が第6位にランクインしています。

このランキングが示すトレンド予測とは何でしょうか?そして、『スーパー藻類』がランキングに入った理由を、スーパーフードの代表藻類・スピルリナを例に解説します。また終わりに、『スーパー藻類』として注目されている今の社会的背景と、昔から続く藻類の食経験についてご紹介いたします。

★2020 年上半期トレンド予測 スーパーフードランキング TOP10★
第1位 青パパイヤ
第2位 菊芋
第3位 マルベリー
第4位 サジー
第5位 ノニ
第6位 スーパー藻類
第7位 国産スーパーキノコ
第8位 進化系シード
第9位 スーパーフラワー
第 10 位 スーパー天然甘味料 

ランキングが示すトレンド予測

このトップ10は、一般社団法人日本スーパーフード協会が、海外(主に米国)のリサーチをもとに、日本市場の現況の流れとの擦り合わせを 行った上で、2020年の上半期に日本でブームとなる可能性が高いスーパーフードを10品目予測し、 ランキング形式で発表したものです。 

ランクインしたスーパーフードの共通点として、以下の4つの傾向がみられるとのことでした。

①漢方・伝承民間薬としての歴史がある
②古代種 (在来種)・ワイルド(野生)など植物の原点への回帰
③サプリメントは化学合成的なものから、より 自然食品に近いものに
④カラダに良いものを「+ たす」だけでなく、カラダに悪いものを「- ひく」 (排出)

食材に対して伝統的な歴史があり、農作物(ほとんどが人為的に品種改良されています)の祖先となる野生種が見直されてきたということになります。また、機能性物質にしても、化学合成品由来から自然食材からの抽出や食材を丸ごと体内に取り入れることが好まれるようです。そして、今まで機能性物質を追加することでより健康を維持しようという考え方が主流となっていましたが、体の老廃物を排出する「デトックス効果」の観点が食材選びのポイントの一つになってきたということです。

このような食材が2020年のトレンドとなる可能性があります。

スーパー藻類・スピルリナのランクインの理由

後にも示す通り、『スーパー藻類』が具体的にどの藻類をさすのかは不明瞭ですが、「スピルリナ」はランキングの解説にも記載されていることから、『スーパー藻類』に確実に含まれています。そこで、スピルリナを例に、ランクインしたスーパーフードの共通点4つを解説していきます。

①漢方・伝承民間薬としての歴史がある

スピルリナは紀元前、マヤ文明の時代から「Tecuitlatl」という名で自生地周辺で食べられています。太陽光で乾燥させトルティーヤに混ぜて食べていたと記されて、当時の人々の食生活(特にタンパク質源)を支えていたことがわかります。薬としての歴史は見つかりませんでしたが、1960年代にスピルリナの栄養価、効能が認識され、今やWHOやFAO、NASAも注目をするほどです。

②古代種 (在来種)・ワイルド(野生)など植物の原点への回帰

スピルリナは、もともとワイルドタイプ(野生種)です。もともと原核生物のスピルリナは交配で品種改良はできません。話は少しずれますが、スピルリナが属する藍藻類(シアノバクテリア)は植物、藻類の原点と言えます。つまり、究極的な植物の原点への回帰が、藍藻類となるのです。
※食用ではないですが、スピルリナの遺伝子改変技術は研究されています。

③サプリメントは化学合成的なものから、より 自然食品に近いものに

スピルリナのサプリメントは基本的にスピルリナ乾燥粉末を成形したものになります。ですので、主成分はまぎれもなくスピルリナという藻類そのものです。
さらに、加工技術においてもより自然に、という潮流も進むと思われます。乾燥することにより栄養素の破壊、酵素の失活は免れません。また錠剤に成形するためには、賦形剤といった添加剤を入れなくてはいけません。それらの加工の問題点を解決するのが、生スピルリナ製品です。現在、米国、オーストラリア、日本などで生スピルリナは販売されています。

④カラダに良いものを「+ たす」だけでなく、カラダに悪いものを「- ひく」 (排出)

スピルリナには水溶性食物繊維が多く含まれています。水溶性食物繊維は胆汁酸を吸着し、体外へ排出する役割をもちます。胆汁酸は腸管内での脂質の消化吸収を助けますが、長く腸内に残ると機能が低下し、新しい胆汁酸の合成も抑えられてしまうため排出を促す必要があります。また、スピルリナには重金属(ヒ素、カドミウム、鉛、鉄、水銀)の解毒/排出作用も知られています。

古今を通じて注目される「藻類」

アメリカでは空前の海藻・藻ブームです。背景には2018年11月には農務省が海藻パンを製造する会社に投資を決定したことや、2018年12月に藻類を組み込んだ新しい農業法が成立したことが大きいです。

食品の中でも比較的単価の高い健康食品、特にスーパーフードは、アメリカの藻類食品産業を牽引することは間違いないでしょう。
このことが、今回の日本スーパーフード協会が発表したランキングにおける『スーパー藻類』ランクインに影響をしています。

『スーパー藻類』とは、「褐藻類(昆布等)・藍藻類(スピルリナ等)など」が含まれるそうです。具体的な名前はコンブとスピルリナの2つしか示されていないので、『スーパー藻類』にその他どの藻類が含まれるのかはこのランキングからは残念ながらわかりません。
しかし、『スーパー藻類』ランクインを記念して、日本で古今を通じて親しまれる「藻類」について、この場を借りて紹介したいと思います。

はじめの「褐藻類(昆布等)など」は、大型藻類≒海藻に当たります。

日本では多くの海藻を古くから食べています。
コンブ、ヒジキ、ワカメ、モズクや、近年注目されているアカモクといった褐藻類、板海苔の主原料となるアサクサノリや寒天の元となるテングサやオバクサ、ひと昔前にベーコンの味がすると話題になったダルスといった紅藻類、クビレズタ(海ブドウ)やアオノリ、アオサといった緑藻類と、普段から気に留めることなく食べている海藻は、藻類の一部です。

次にある「藍藻類(スピルリナ等)など」は、微細藻類に当たります。
藍藻類のスピルリナ、緑藻類のクロレラなど昔から人々が食していたものもありますが、緑藻類のヘマトコッカス、ユーグレナ類のユーグレナ(ミドリムシ)、真正眼点藻のナノクロロプシスなど、新しく食用として市場にでてきた微細藻類もあります。

2020年の日本における『スーパー藻類』の活躍をどんどんModiaで伝えていきたいです!みなさまも『スーパー藻類』への熱い応援をお願いします!


<参考資料>

Hoseini, S. M., Khosravi-Darani, K., & Mozafari, M. R. (2013). Nutritional and medical applications of spirulina microalgae. Mini reviews in medicinal chemistry, 13(8), 1231-1237.
https://spirulinasmoothie.net/spirulina-a-history-of-food-in-ancient-mexico/
https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/fiber/about/type/
https://www.fooddive.com/news/usda-grants-600k-to-develop-seaweed-bread/543412/
https://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2012/09/20120903_01.html

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