先日Modia[藻ディア]で公開された『海洋無酸素事変 -藻が動物の絶滅に関わっていた!?- 』の記事内に、「藻の大繁殖が、地球規模での動物の大繁殖や大絶滅の引き金になっていた可能性がある」という記述があったが、その一例と考えられる記事があったので今回紹介したい。

記事によると、アフリカ大陸マダガスカル島のマジュンガ盆地に存在する、白亜紀後期に堆積した地層マエバラノ層(Maevarano Formation)において、約7,000万年前に生息していた恐竜、ワニ、トカゲ、鳥など約1,200種の動物の化石が見つかったという。同一種ではなく多様な種の動物の化石が、堆積岩層のほんの一部(テニスコートの3分の1の面積)からまとまって見つかるのは異例なことだ。一体、この原因は何であろう?

Did tiny algae fell mighty dinosaurs?

Seventy million years ago, they all came to drink in the rapidly drying river: long-necked sauropods, fierce theropods, crocodiles, lizards, and raven-sized birds. They never left. The giant and the tiny were entombed together in the riverbed, forming what is now a spectacular series of mass graves in northwestern Madagascar.

大動物、小動物、鳥類が互いに絡み合って死体が埋まっている点から、「長期の干ばつによって大量死した動物の死体が、豪雨によって下流まで運ばれて埋まっていた」というのがこれまで考えられてきた説であった。しかし、それを裏付ける有力な証拠は出ていなかった。

そうした中、今年8月に開催された脊椎動物古生物学会(the Society of Vertebrate Paleontology)の総会にて、古生物学者のRaymond Rogersが新たな仮説を唱えた。同氏は「化石が首の痙攣を示唆する歪んだ姿勢であること」、「発見された炭酸塩の地殻が、他の堆積物で藻類が残したものと類似していること」、「数多くの鳥類が死んでいること」の3点に注目した。そして、これらをもとに、マエバラノ層における動物の大量死の原因は、同所で繰り返し大繁殖した毒性のある藻類によると提唱した。夏に同じ場所で繰り返し発生する毒性を持つ藻類の大繁殖が、水域に生息していた動物や水を飲みに来る(鳥類を含む)動物の大量死を引き起こしたという仮説だ。藻類の繁殖が原因だとする直接的な証拠は未だ見つかっていないが、同氏は岩石・化石にある藻類の痕跡やバイオマーカーを今後探していく予定だそう。

現在、生物の大量死を引き起こす毒性のある藻類の繁殖は、下記記事でも示されている通り、世界各地で様々な問題を引き起こしている。


個人的には、現代と同様の現象が古代にも起きていた可能性は十分にあると思う。今後もし証拠が見つかれば、今まで大量死の主要因として考えられていなかった藻類は古生物研究に新たな重大な発見をもたらすのではないかと期待する。また、藻類よりずっと巨大な恐竜等の大型動物が進化の過程で絶滅したのにも関わらず、藻類は今日も様々な環境下で生き続けている。「生きた化石」とも呼ばれる藻類こそ、まさに最強の生物ではないかと改めて感心した。