2018年5月25日から6月16日までの23日間、オーストラリアのシドニーで「ビビッド・シドニー(Vivid Sydney)」という祭典が開催された。今年で10年目を迎えたビビッド・シドニーは、毎年5月に南半球の冬の到来と共に始まる世界最大級の光と音楽とアイデアの祭典であり、光の「ビビッド・ライト」、音楽の「ビビッド・ミュージック」、アイデアの「ビビッド・アイデア」の3つのセクションから成る。今年はこれまで以上に充実したプログラムで、開催期間中はシドニーの街全体が華やかに彩られた。

光の「ビビッド・ライト」では、LEDライトやプロジェクションマッピングなどでオペラハウスやハーバーブリッジなどをメインに、街中の様々な場所がカラフルにライトアップされる。今回、リビングライトというテーマの作品で初めて藻類が取り入れられ、ビビッド・ライト展示の一環として中心的な役割を果たしていた。

リビングライトは最大2.5mまでの高さが異なる18基のリアクターから構成されており、各リアクターの中ではそれぞれ異なる藻類が培養されていた。そのリアクターを明るいLEDライトで下から照らし、藻類の赤色や金色、蛍光緑色などの色合いを強調させることで、生き生きと呼吸する藻類で作られた光の森が訪れる人々を歓迎するという概念を表現した。また、リビングライトには”The Nucleus”という特別な装置があり、来場した参観者が 装置の中に手を入れ、その手を振ることで光の色や強度をコントロールすることができるインタラクティブな仕掛けもあった。

Living Lights

Artists:University of Technology, Sydney: Peter Ralph (Australia) / Lochlan de Beyer (Australia) / Leo Hardtke (Australia) Living Lights is a ‘forest’ made entirely of living, breathing algae that welcomes visitors with an energetic, bubbling ‘blurp’. Growing and sustaining itself by harvesting the energy of the sun, in just three weeks Living Lights will produce more oxygen than a suburban park does in a year!

さらにこの装置はただ光の森の概念を演出するだけではなかった。驚くべきことにわずか3週間の展示期間で、中の藻類は郊外の公園が1年間で生産する酸素よりも多くの酸素を生産するという。

革新・科学・技術・芸術を融合し、リビングライトを作成したのはシドニー工科大学(University of Technology Sydney; UTS)と、以前Modiaでも紹介したことのあるDeep Green Biotech Hubであった。


(Deep Green Biotech Hub – University of Technology Sydneyより)

 

今回の彼らの目的は、リビングライトという多彩で視覚的に魅力のあるディスプレイを通して、藻類が幅広い産業において様々な用途に使われていることや、世界を変える革命的な再生可能資源であるということに対する一般的な認知度を向上させることだった。


参考資料
https://www.vividsydney.com/event/light/uts-living-lights
http://www.abc.net.au/news/2018-05-25/vivid-sydney-gets-living-lights-with-neon-algae/9799136
http://www.abc.net.au/news/2018-05-25/vivid-algae-lights-up-sydney/9797628
https://www.deepgreenhub.uts.edu.au/
http://newsroom.uts.edu.au/news/2018/04/living-lights-going-green-gold-vivid-sydney