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湖や池に大量発生した藻で作ったサンダルが登場。作れば作るほど水が綺麗に?

湖や池に大量発生した藻で作ったサンダルが登場。作れば作るほど水が綺麗に?

近年、ニュースなどで中国の湖や池で藻が異常なほど大量発生して、真緑になっている写真を見たことなどがないだろうか。これは多くの場合、湖や池に生活排水などが入り込んで富栄養化し、そこに藻が大繁殖したことによって引き起こされる。海で言えば赤潮なんかも同じ仕組みで起こっている。生物学の分野では『ブルーム(大発生)』と呼ばれている現象である。

ブルームを引き起こす藻類の中には、毒素を発生させ、他の水生生物や人類に被害をもたらす恐れがあるものも多い。藻類ブルームの発生は複雑で、そのメカニズムはまだ明らかになっておらず、正確な予測と予報を出すのが難しい。このため、藻類ブルームがもたらす危害を軽減するには、それをいかに処理するかが水環境保護における重要なテーマとなっている。

そんな中、この発生した藻類ブルームを何かに利用できないか、という取り組みを進め、見事素材として生かしたサンダルが商品化された記事が出ていたので紹介したい。

VivobarefootXbloom | May 2017 | Blog

このサンダルを商品化したのは、イギリス発のシューズメーカーVivobarefoot社で、ミニマルランニングシューズのブランドで有名である。裸足に近い状態で歩いたり走ったりすることが足に最適な状態をもたらす、という哲学のもとで製品開発を進める、知る人ぞ知る、というようなブランドでもある

Vivobarefoot社の主流ラインである、水陸両用の耐水性運動靴「ULTRA Ⅲ」シリーズ。通常、石油由来のエチレン酢酸ビニル(EVA)のポリマーから作られているが、2017年7月、EVA(60%)と藻類(40%)がブレンドされた新バージョンが登場した。ブルームになる前の藻類を収穫し、柔軟性のあるゴム状に加工し、EVAと混ぜる。このサンダル1対を作るために必要な量の藻類を収穫することによって、57ガロン(約216L)の水を浄化することにつながるわけである。

引用元:https://www.vivobarefoot.com/uk/blog/may-2017/vivobarefootxbloom#

Vivobarefootの創設者Galahad Clark氏は次のように述べている。

『我々はEVAポリマーが基本的に石油化学由来の素材であり、持続可能な原料ではないことを知っていたので、EVAの代わりになるいい素材ががないか目を光らせていたのです。』

実際に藻類を素材にする際には様々な試行錯誤を重ねたようだ。彼らの靴はデザインがユニークで六角形の穴が多数空いているため、素材には素早い伸び縮みが求められる部分などに課題があったが、それらをクリアーし、今回の上市につながったとのこと。

また、Vivobarefootのクリエイティブディレクター、Asher Clark氏は次のように述べている。

『EVAの製品よりも少し気分が良い気がするよ。ちょっぴりスピルリナのようなにおいがするね。』

ぜひリンク先の製品写真も見ていただきたい。デザインが素敵でとてもクールだ。藻を素材にして環境に優しいから売れるというものではなく、その製品自体が魅力的で購入したいと思えるものである、ということがやはり大前提なのだと思う。その製品自体が十分魅力的な上に、それに加えて環境にも配慮しているストーリーもあるのだよ、という部分がクールであり、消費者の購入決断を一押ししてくれるのではないだろうか。

この記事を書いた人

ちとせ研究所取締役。小学生の頃、友達と遊んでる際に窒息で死にかける。その時に酸素を供給してる光合成の偉大さに気づく。奈良先端科学技術大学院大学にて光合成に関する研究で博士号を取得後、光合成を軸に自分探しの旅へ。農業体験、ワイナリー立ち上げ、ログハウスづくり、自給自足のヒッピー生活、宮大工見習い、、など色々経験した結果、旅する前より興味が拡散した。その後、ネオ・モルガン研究所(現ちとせ研究所)に入社。社会の流れに身を委ねていたところ、藻の仕事にたどり着く。光合成が藻から始まったことを考えると、この出会いは天啓だと思っている。今世で徳を積み、来世は労働せずに光合成だけで生きてみたい。

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