part.1、 part.2では、2009~2011年度採択の藻類燃料研究分野助成金プロジェクトを紹介した。

最終回 part.3では2012年度から2017年度に開始されたプロジェクトNo.40〜62の詳細を記す。なお、一覧表および次項にある各プロジェクトの説明に記載した金額は、各事業の募集時点の予算規模(最大額)を記している。

微細藻類燃料に関する国内助成金一覧表/筆者作成

2012年度以降の藻類燃料研究分野助成金プロジェクトの件数は減少しているものの、1件当たりの助成金額は大きく、プレイヤーが集約傾向にあるといえる。

研究内容としては、低コスト化の屋外培養試験研究に大きめの予算がついている。一方で、品種改良による機能向上藻類の作成に関する研究も目立ってきている。また、復興予算や海外支援予算からの藻類燃料研究も見られるようになった。

2012年度採択の助成金

40)微細藻類を利用した石油代替燃料等の製造技術の開発

【概要】農山漁村地域において燃料および飼料の製造が可能となるような技術を開発することを目指す。開発項目は以下の5項目。1.微細藻類の分離と品種改良 2.大量培養システムの開発 3.藻体回収技術の開発 4.油脂抽出技術の開発 5.抽出残渣の飼料としての利用(このうち、品種改良、大量培養、回収技術、燃料化技術については2012年度からNEDOの『油脂生産性の優れた微細藻類の育種・改良技術の研究開発』へと引き継がれた)。

【委託先】<大学>中央大学(中核機関)、お茶ノ水女子大学、京都大学、大阪大学 <その他公的機関>北里研究所 <企業>株式会社デンソー、出光興産株式会社、株式会社クボタ、マイクロ波化学株式会社、中部飼料株式会社
【期間】2012〜2015年度
【予算】284百万円 (71百万円/年)
【事業名】農水省「農山漁村におけるバイオ燃料生産基地創造のための技術開発」

41)微細藻類バイオ燃料製造に関する実用化技術強化の研究開発

【概要】微細藻類燃料生産に関わる実用化技術の開発を推進する。「1.燃料製造に適した株の1次スクリーニングのための評価系の構築」「2.屋外培養に適した微細藻類の選択のための評価系の構築」「3.燃料製造に適すると思われる微細藻類に関する遺伝子組換えでのポテンシャル向上のための検討」「4.組換え方法の検討と遺伝子導入による光合成能向上のための検討」「5. 生物学的封じ込め技術の探索と確立」 「6.微細藻類を保存するための安全、安価な方法の確立」。
【委託先】<大学>近畿大学、京都大学 <その他公的機関>製品評価技術基盤機構 <企業>ヤンマー株式会社、JX日鉱日石エネルギー株式会社(中核機関)
【期間】2012〜2013年度
【予算】120百万円 (60百万円/年)
【事業名】NEDO「戦略的次世代バイオマスエネルギー利用技術開発事業」

42)海洋性緑藻による油脂生産技術の研究開発

【概要】2012年度からの事業で、微細藻類としてはChlamydomonas sp. JSC4を利用。高密度と高油脂含率を両立し、油脂生産性を最大とする培養技術を開発すると同時に、1.2m2、2.4m2、50m2 の屋外培養槽を用いて、屋外で培養技術の開発も行う。また、JSC4株での光合成を制限する要因の分析及び形質転換系の確立も行う。
【委託先】<公的機関>基礎生物学研究所 <大学>神戸大学(中核機関)<企業>DIC株式会社
【期間】2012〜2015年度
【予算】240百万円 (60百万円/年)
【事業名】NEDO「戦略的次世代バイオマスエネルギー利用技術開発事業」

43)微細藻類の改良による高速培養と藻体濃縮の一体化方法の研究開発

【概要】微細藻類としては高増殖型のBotryococcus brauniiを利用。低コスト・低エネルギーでの生産するための品種改良(浮上性、凝集性、多糖類分泌抑制、油脂含有量向上等)を行い、太陽光を利用した屋外での大量培養技術を開発する。
【委託先】<大学>神戸大学 <企業>株式会社IHI(中核機関)、株式会社ちとせ研究所
【期間】2012〜2016年
【予算】300 百万円(60百万円/年)
【事業名】NEDO「戦略的次世代バイオマスエネルギー利用技術開発事業」

44)藻類の光吸収制御のための理論的基盤の確立

【概要】単一の波長の光しか吸収できない微細藻類を別の波長も吸収できるように改変できれば、今まで利用できなかった光を活用可能になる。本研究では、光吸収波長域を自在に変えるだけでなく、アンテナタンパク質間のエネルギーの流れも最適化する変異体の創成を目指し、タンパク質構造に基づく理論解析を行う。これにより微細藻類の光吸収チューニング技術の基盤を確立し、あらゆる微細藻類によるバイオエネルギー生産効率の飛躍的な向上を狙う。
【委託先】<大学>京都大学
【期間】2012〜2015年度
【予算】40百万円 (10百万円/年)
【事業名】JST さきがけ「藻類・水圏微生物の機能解明と制御によるバイオエネルギー創成のための基盤技術の創出」

45)付加帯エネルギー生産システム創成に向けた基盤技術の開発

【概要】南西日本の太平洋側に分布する、厚い堆積層「付加帯」の深部地下水に含まれる微生物群集を利用したエネルギー生産システムの創成に向けた基盤技術を開発する。特に、微生物群集の網羅的遺伝子応答解析を試み、水素ガス・メタン生成を担う微生物共生メカニズムについての理解を深める。さらに、広範囲の付加帯地域にて深部地下水、遊離ガス、微生物群集の解析を試み、高効率のエネルギー生産が期待できる付加帯エリアの特定を目指す。
【委託先】<大学>静岡大学
【期間】2012〜2015年度
【予算】40百万円 (10百万円/年)
【事業名】JST さきがけ「藻類・水圏微生物の機能解明と制御によるバイオエネルギー創成のための基盤技術の創出」

46)高脂質含有円石藻の形質転換技術の確立と有用脂質高生産に向けた応用

【概要】円石藻は世界中の海に広く分布し、二酸化炭素を大量に固定することで海洋の炭素循環に大きな役割を担っている微細藻類である。中でもPleurochrysis carteraeは、脂質の含有量が高く、大量培養が可能なことから次世代のバイオエネルギーの原材料として期待されている。本研究では、同種の形質転換技術の確立を軸とし、脂質代謝系の解析および燃料として有用な脂質を効率よく生産する株の作出を目指す。
【委託先】<大学>東京大学
【期間】2012〜2015年度
【予算】40百万円 (10百万円/年)
【事業名】JST さきがけ「藻類・水圏微生物の機能解明と制御によるバイオエネルギー創成のための基盤技術の創出」

47)クロロフィルの光毒性を利用した植食性原生動物の繁殖抑制農薬の開発

【概要】藻類培養の現場では、培養地に侵入する原生動物による食害が大きな問題となる。本研究では、原生動物が持つ「クロロフィルの光毒性(活性酸素を発生させる能力)を回避する代謝系」において解毒機構を解明し、その機能を阻害する酵素阻害剤を開発することで、原生動物を駆除する技術を確立する。将来的には、食害を抑制し、屋外開放系における高効率・低コストな有用藻類生産の実現を目指す。
【委託先】<大学>立命館大学
【期間】2012〜2015年度
【予算】40百万円 (10百万円/年)
【事業名】JST さきがけ「藻類・水圏微生物の機能解明と制御によるバイオエネルギー創成のための基盤技術の創出」

48)ラン藻ポリケチド合成酵素を用いた脂質生産

【概要】本研究では、窒素固定能を持つ糸状性ラン藻Anabaena sp. PCC 7120株で、ポリケチド合成酵素を用いた脂質生産を行う。この株は、窒素欠乏条件でポリケチド合成酵素によって脂質の一種、超長鎖脂肪酸アルコールを合成・蓄積することが知られている。この仕組みを利用し、光合成能・窒素固定能を維持したまま、遺伝子改変によって高効率で脂質を合成し、さらに蓄積または細胞外に放出する株を作出する。
【委託先】<大学>静岡大学
【期間】2012〜2015年度
【予算】40百万円 (10百万円/年)
【事業名】JST さきがけ「藻類・水圏微生物の機能解明と制御によるバイオエネルギー創成のための基盤技術の創出」

49)巨大光捕集器官クロロソームを利活用した生理活性物質・脂質の大量蓄積系の構築

【概要】弱光環境で生育する光合成微生物は糖脂質膜で覆われた光捕集体「クロロソーム」を持ち、その内部には多量の色素分子が存在する。本研究では、色素合成系を制御してβ-カロチン色素等の生理活性物質をクロロソーム小胞内に大量に蓄積するための基盤技術を構築する。さらにクロロソームの生合成過程を明らかにして、その内部および小胞膜へ移行する物質の選択を自在に操り、応用性の高い物質生産系の開発を目指す。
【委託先】<大学>立命館大学
【期間】2012〜2015年度
【予算】40百万円 (10百万円/年)
【事業名】JST さきがけ「藻類・水圏微生物の機能解明と制御によるバイオエネルギー創成のための基盤技術の創出」

50)藻類由来フェリチンの機能強化によるナノマテリアル生産システムの創成

【概要】本研究では、低濃度金属イオン環境で機能することができる特殊な藻類由来フェリチンタンパク質のバイオミネラリゼーション能力を強化し、コントロールすることで種々の極限環境でも生育可能な微細藻類の開発と有用金属回収を目指す。本研究によって、海洋や鉱山、工場などの廃水や廃棄物から極低濃度の有用金属を回収し、直接ナノ電子デバイス作製を行うバイオナノマテリアル生産システムの構築が可能となる。
【委託先】<大学>奈良先端科学技術大学院大学
【期間】2012〜2015年度
【予算】40百万円 (10百万円/年)
【事業名】JST さきがけ「藻類・水圏微生物の機能解明と制御によるバイオエネルギー創成のための基盤技術の創出」

51)合成代謝経路構築によるシアノバクテリアのバイオアルコール生産

【概要】本研究は、シアノバクテリアに大規模な遺伝子組み換え技術を利用して外来遺伝子群を導入し、合成代謝経路(連鎖的な酵素反応)を構築することで、シアノバクテリアが本来生産しない化学物質(イソプロパノール等のバイオアルコール)を連続生産させるための基盤技術を構築することを目的とする。本研究により、火力発電所等の燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素を原料として、石油代替燃料および化成品原料として活用できるバイオアルコール生産が可能となり、低炭素循環型社会の実現に貢献することが期待される。
【委託先】<大学>九州大学*(中核機関)、名古屋大学、北見工業大学、神戸大学、大阪大学
【期間】2012〜2017年度
【予算】498百万円 (83百万円/年)
【事業名】JST CREST「藻類・水圏微生物の機能解明と制御によるバイオエネルギー創成のための基盤技術の創出」

52)海洋微生物発酵制御を基盤とした大型藻類の完全資源化基盤技術の開発

【概要】脱化石・原子力資源の世界的要請を背景に、海洋藻類の高効率エネルギー・資源化技術が求められている。本研究では、海洋微生物が持つ耐塩性および海藻糖質代謝機能に着目し、海洋複合メタン生成菌群を活用した高効率メタン発酵技術を中心として、高塩条件下での前処理技術、高付加価値物質や金属の回収技術等を含む、海洋藻類のエネルギー・資源化システム実用化に必要な要素技術の確立を目指す。
【委託先】<大学>広島大学
【期間】2012〜2017年度
【予算】498百万円 (83百万円/年)
【事業名】JST CREST「藻類・水圏微生物の機能解明と制御によるバイオエネルギー創成のための基盤技術の創出」

53)形質転換ユーグレナによるバイオ燃料生産基盤技術の開発

【概要】微細藻類ユーグレナは、光合成により得た貯蔵多糖パラミロン(β-1,3-グルカン)から、バイオディーゼル燃料としての利用が期待されるワックスエステル(主成分は、ミリスチン酸C14とミリスチルアルコールC14)を大量に生産する。本研究では、ワックスエステル醗酵経路とその調節機構の解明および関連有用遺伝子による形質転換技術を用いて、より高い光合成活性を持ちワックスエステル高生産可能な‘スーパーユーグレナ’の作出のための基盤技術の確立を目指す。
【委託先】<大学>島根大学*(中核機関)、近畿大学、大阪府立大学 <企業>株式会社ユーグレナ
【期間】2012〜2017年度
【予算】498百万円 (83百万円/年)
【事業名】JST CREST「藻類・水圏微生物の機能解明と制御によるバイオエネルギー創成のための基盤技術の創出」

2013年度採択の助成金

54)高油脂生産微細藻類の大規模培養と回収および燃料化に関する研究開発

【概要】微細藻類の培養工程コスト低減に資するため、水道代と人件費、電力代を削減するための培養水リサイクル技術の開発、省電力な1段膜ろ過+沈殿システムによる藻体回収技術の確立を目指す。また、育種技術により高油脂生産性を有する改良株の事業化運用を目的にゲノム編集技術等の最新手法を活用した評価検討に着手する。
【委託先】<大学>中央大学 <企業>株式会社デンソー(中核機関)、株式会社クボタ、出光興産株式会社
【期間】2013〜2016年度
【予算】240 百万円(60百万円/年)
【事業名】NEDO「戦略的次世代バイオマスエネルギー利用技術開発事業」

55)好冷性微細藻類を活用したグリーンオイル一貫生産プロセスの構築

【概要】2013年度からの事業で、新たに分離した好冷性微細藻類(ルナリス株 : Mayamaea sp. JPCC CTDA0820)と中温性微細藻類(ソラリス株 : Fistulifera solaris JPCC DA0580)を利用し、低エネルギー型グリーンオイル一貫生産プロセスを開発する。北九州市若松区に10 ㎡の円形実証設備を20 基設置し、培養から抽出までの一貫生産プロセスの実証を目指す。
【委託先】<大学>東京農工大学 <企業>電源開発株式会社(中核機関)、日揮株式会社
【期間】2013〜2016年度
【予算】240 百万円(60百万円/年)
【事業名】NEDO「戦略的次世代バイオマスエネルギー利用技術開発事業」

56)油糧微生物ラビリンチュラを利用したジェット燃料・船舶燃料生産の研究開発

【概要】ラビリンチュラ類は増殖が速く多量の油脂を蓄積するが、従属栄養性で増殖に多量の糖質を必要とするため、事業化には安価で安定供給可能な糖質の確保が問題となる。本研究開発では、食料と競合しないリグノセルロースバイオマス由来糖質を培地糖源として用いることとし、バイオマス糖化液中のC5糖(アラビノース、キシロース)を効率的に利用できる株の探索・分子育種を目標とする。同時に、バイオマス糖化液を用いた高密度培養方法の検討、抽出油脂の燃料適性評価を行うことによって、エネルギー収支・エネルギー回収率が高く、コスト競争力のある技術の開発を目指す。
【委託先】<大学>宮崎大学 <企業>株式会社Biomaterial in Tokyo(中核機関)
【期間】2013〜2014年度
【予算】120百万円 (60百万円/年)
【事業名】NEDO「戦略的次世代バイオマスエネルギー利用技術開発事業」

57)藻類バイオマス生産及び利活用技術の開発

【概要】福島県南相馬市において、その土地の気候条件に合った土着藻類を排熱・排ガス(CO2)、下水を利用して大量に培養する技術を開発するほか、その後の脱水、濃縮、変換技術(水熱液化によるバイオ原油の生産)過程の効率化や抽出後の残渣再資源化の検討・実施実験を行い、エネルギーや生産コストの削減を目指す。
【委託先】<一般社団法人>藻類産業コンソーシアム
【期間】2013〜2015年度
【予算】510百万円
【事業名】復興庁「福島県再生エネルギー次世代技術開発」

2015年度採択の助成金

58)水処理システムと湿式抽出法による藻類の高効率燃料化の融合と実用化

【概要】南アフリカ共和国では下水を元にCO2を吸収する微細藻類の大量培養に成功したが、燃料にするには化石燃料による乾燥が必要で、逆にCO2を排出する矛盾が生じる。これを解決するため、液化DMEという新たな溶媒を用いる燃料化(油脂抽出)装置を開発して現地に設置する。微細藻類の残渣は木片と混ぜてマット化して肥料化する。また、南アフリカ共和国に技術が根付くように、持続可能な環境ビジネスモデルを構築するとともに人材育成を行う。
【委託先】<大学>名古屋大学*(中核機関)、東京農工大学、鈴鹿大学、ダーバン工科大学(南アフリカ共和国)、エティクニ自治政府(南アフリカ共和国)、農業研究機構(ARC)(南アフリカ共和国)、技術革新機構(TIA)(南アフリカ共和国)
【期間】2015〜2020年
【予算】500百万円 (100百万円/年)
【事業名】JST/AMED/JICA  SATREPS「環境・エネルギー(低炭素社会)」

2016年度採択の助成金

59)土着藻類による燃料生産実証事業

【概要】福島県南相馬市に設立された実証実験施設「藻類バイオマス生産開発拠点」で得られた3年分の実証試験で得られたノウハウや設備を活用し、さらなる藻類燃料単価の削減を目指し、燃料生産を実証していく。
【委託先】<大学>筑波大学(中核機関) <企業>株式会社熊谷組、株式会社相双環境整備センター、藻バイオテクノロジーズ株式会社、高砂熱学工業株株式会社、株式会社富士通システムズ・ウエスト、ヴェオリア・ジェネッツ株式会社、三菱化工機株式会社
【期間】2016〜2018年度
【予算】425百万円
【事業名】エネルギー庁「微細藻類を活用したバイオ燃料生産のための実証事業」

60)バイオ燃料用藻類生産実証プロジェクト

【概要】燃料用微細藻類培養プールを多気クリスタルタウン(所在地:三重県多気郡多気町)に建設し、燃料用微細藻類の大規模、低コスト生産技術の確立を目指す。具体的には、木質バイオマス発電所の隣接地にバイオ燃料向け微細藻類の研究、培養を行う設備を建設し、木質バイオマス発電所より排出される排ガス、排水や排熱などを微細藻類の培養に必要な二酸化炭素源やエネルギーとして用いることで、バイオ燃料向け微細藻類生産の低コスト化に取り組む。
【委託先】<大学>三重県、多気町 <企業>株式会社ユーグレナ(中核機関)、株式会社中部プラントサービス
【期間】2016〜2018年度
【予算】425百万円
【事業名】エネルギー庁「微細藻類を活用したバイオ燃料生産のための実証事業」

2017年度採択の助成金

61)高速増殖型ボツリオコッカスを使ったバイオジェット燃料生産一貫プロセスの開発

【概要】これまでに高速増殖型ボツリオコッカスの屋外大規模培養(培養池面積1,500㎡)に成功している。本実証では、タイでより規模を拡大し、10,000㎡規模の培養池を含むプラントを設置し、パイロットスケール試験を実施する。また、より高効率な工業化のための課題の抽出とその対策を検討し、安定的な長期連続運転や製造コストの低減などの実現可能性を検証する。
【委託先】<大学>神戸大学 <企業>株式会社IHI(中核機関)
【期間】2017〜2020年度
【予算】66百万円 (2017年度分のみ)
【事業名】NEDO「バイオジェット燃料生産技術開発事業/一貫製造プロセスに関するパイロットスケール試験」

62)ミルキング法によるバイオ燃料生産の高効率化と安定化

【概要】光利用効率、細胞当たり生産量、および強光耐性の一括向上によりバイオ燃料の生産性の飛躍的改善を実現する。細胞当たり生産量が少なくてエネルギー収支がマイナスという課題を、細胞の増殖を制限しつつ生産物を細胞外に放出させる技術を開発することで克服する。
【委託先】<大学>名古屋大学(中核機関)、埼玉大学、中部大学 <その他公的機関>理化学研究所
【期間】2017〜2021年度
【予算】180百万円 (36百万円/年)
【事業名】JST 「未来創造事業:「ゲームチェンジングテクノロジー」による低炭素社会の実現」

最後に

全3回に渡り、国内の藻類燃料研究プロジェクトを見てきた。
年々、国内の藻類燃料研究が集約的になってきているものの、例えば米国と比べると、日本は少額の予算を複数プロジェクトに分散させて投下しているといえる。

国内の研究開発の現状や、海外との立場の違いを踏まえた上で、日本はどのような戦略を持って藻類燃料研究を進めるべきか、という俯瞰的な視点から改めて考えることが求められているタイミングであろう。

日を改めて、米国や欧州の藻類燃料研究についても紹介する予定である。今後も期待していただければと思う。


参考画像
Tokuyama”©2009 otaota DANA /CC BY 2.0